神戸市内ですが最寄り駅からバスで8分と徒歩3分。
決して立地が良いとは言えない築45年の賃貸マンションです。
このお部屋は、間取りは和室が2部屋の3DKで、古さこそ感じましたが、少しずつ手を入れられている様子のお部屋で、キッチンなどはまだまだ綺麗な状況でした。
破損などが無い物を、『古い』からという理由で、交換してしまうのではなく、『古さ』を良さに変えられないかを考えました。
『古さを良さ』と捉えられる、ヴィンテージやアンティークな雰囲気のカフェやホテルが好きな新婚層をターゲットに設定。
設備の交換は行わず、コストを抑えながらも風合いのある空間にプランニング。
テーマは『古さは居心地が良い。-Classic & Modern-』です。
和室1室をリビングに吸収し、2LDKのお部屋に間取り変更を行いました。
新築時から使用している大きなガラス入りのLDKとトイレの扉には、モールディングという装飾材を使用し、ブルーグリーンの塗装を施し、クラシックなイメージに蘇らせました。
今ではなかなか見かけない、大きなアンティークのガラスがより雰囲気を盛り上げます。
キッチンの扉は破損も無く綺麗でしたが、フラットで味気なかったので、シート建材で色味を変え、扉同様にモールディングを取り付け。
取手をアイアンの小枝モチーフの物へ交換し、見違えるほどクラシックな世界で一つだけのキッチンが出来上がりました。
2室の和室も、木部の塗装やクラッシックな柄の襖紙を選定することで、何とも風合いのあるお部屋になりました。
このようにコストを抑えながらも、工夫とアイデアから生まれるリノベーションもあります。
費用を抑えイメージを改善できるアイデアについては、下記記事で。
入居も付けたい!費用も抑えたい!質も落としたくない!リノベーションアイデア3選
ヨーロッパを旅行すると『古い物を大事にする』文化にはっとさせられます。新しい物は綺麗ですが、新しい物だけに囲まれると、私は居心地が悪くなります。
住まいには、『新しい』だけが良いのではなく、『古くても居心地が良い』というのも大事なポイントだと思います。
これまで大事に住まわれたお部屋が、次の入居者さんにも長く愛されるお部屋になればいいなと願います。
費用を抑えた提案なのに、仕上がりがとてもよく満足です。
特に昭和チックで古臭く見える建具やキッチンを取替えずにアイデアと工夫で生まれ変わったかの様な仕上がりに驚きました。
現在の築年数を考えると今後、大掛かりなリノベーションは避けていきたいと思っており、家賃を上げるのも難しくなっている中、同じ方向を向いて提案してもらえて嬉しかったです。
すぐに入居も決まり良かったです。