プランナーインタビュー 村上美穂
ーコンセプトを教えてください
村上:映画「海月姫」の主人公、月海ちゃんの世界観や映画のストーリーをモチーフにしながらも、現実の学生さんが生活する部屋をコンセプトにプランをつくりました。
ーどんな学生さんを想定したのですか?
村上:この物件は、関西外国語大学が近くにあり3階は学生専用のフロアになっています。そのため、入居者には、夢を持った女子大生を思い描いていました。勉強やバイトで忙しくしながらも、お家で過ごす時間を大切にしていて、毎日を前向きに楽しく過ごしている女の子。それでいてクラゲ好きな女の子にピッタリかなと思います。
ー映画のストーリーのどんなところをモチーフにしたのですか?
村上:月海ちゃんがドレス作りに目覚めて、大好きなクラゲからイメージしたドレスを仲間たちと作っていきますよね。ひとつは月海ちゃんがデザインしたようなふわふわな“ドレス”です。もうひとつは、未来に向かってモノを作り出していく時に、仲間たちとみんなで楽しく集まれる“場所”です。この2つが今回プランを考える上で大切にしたポイントです。
ー天水館って昭和レトロな建物ですよね。どこがモノづくりに適していたと思いますか?
村上:そうですね。映画では空間以上に尼~ずの仲間の存在が大きかったと思いますが、昭和レトロってどこか日本人が居心地がいいと思う要素があるのかなと思いました。それとクリエイティブに向いた空間は、どこか変わった刺激になる要素も必要なのかなと。私のプランでは、モロカン柄のフロアなど昭和っぽいテキスタイルパターンを多用しました。全体のトーンをまとめ、落ち着いてモノづくりできるような空間に仕上がったと思います。
ーよく見るといろんなところにクラゲが散りばめられていますね。
村上:壁紙やガラス窓や黒板ボード、天井の飾りにもクラゲが隠れています。天井から吊るしているフラワーボールもまるでクラゲのようで、クラゲに魅せられた女の子の趣味世界が広がっています。
ーどこに一番こだわりましたか?
村上:やっぱりパターンの選定と全体のトーンを統一するのに時間がかかりました。あと、天井のアイアンの飾りは、今回のためにデザインし特注でつくってもらったものです。よく見てもらうとクラゲがたくさん隠れています。
ー飾りもいろんなところに使ってますね。
村上:天井から吊るされた、アクリルデコチェーンやカーテンレールの飾りで、海や水、水滴のイメージを演出しようと思いました。透明でキラキラした海っぽさ、水っぽさを演出しようと苦心しました。
ー最後に今回の海月姫コラボ案件の感想を教えてください。
村上:原作のマンガがとても面白くて、読めば読むほど、マンガの世界にのめり込んでしまいました。オタクの月海ちゃんの部屋を模倣すると、現実の入居者の生活を制限してしまいかねないし、それでは意味がないのかなと。ドレスを作り始めて未来に向かって動き出した月海ちゃんにとても心を打たれたので、その魅力的な月海ちゃんをイメージした部屋にしたいなと思いました。元のマンションが綺麗に管理されていることもあり、いろいろ悩みましたが、とても楽しんでプランをつくることができました。
Before
After
Before
After
Before
After
おまけ! 施行中の風景